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祇園祭のお稚児さんって生贄だった? ウソでしょ!そんなに怖い話なの?

   

 

祇園祭の山鉾巡行といえば、毎年お稚児さんが選ばれ、その子がしめ縄を切ってスタートします。実は、そのお稚児さんが生贄だった!という噂話があるのをご存知ですか?今回は、こんなお話もあるんだなという事をお伝えしてみたいと思います。

 

 

 

もちろん、事実に則しているわけではなく、こういう一説もあるといううわさ話程度のお話だと思っていただけると幸いです。

 

 

 

・祇園祭のお稚児さんが生贄とはどういうこと?

一昨年、私はあるうわさ話を聞きました。「祇園祭で、お稚児さんがいるのは、生贄だったのって知ってる?だから多くの山鉾は、生き稚児と言われる生身のお子さんではなく、人形で代理としているんだって、怖いよね」というお話です。

 

 

 

信じられますか?あんな華やかなお祭に生贄があったなんて、信じられないですよね。私も、「いやいや、まさかそんなわけないでしょう!」と思っていました。もちろん、今でも思っています。しかし、こんなお話もあるのです。

 

 

 

京都の祇園祭の始まりは、京都に疫病や飢餓が流行り、その流行を食い止めるために神様にお願いをしたのが最初だと言われています。それから毎年行われるようになり、現在のような祇園祭になっていったそうです。

 

 

 

そう、今は華やかなお祭になっていますが、最初の祇園祭は悲惨な出来事からの脱却をはかるために行われていたのです。そのため、その過程でお稚児さんが生贄として捧げられてきたのではないか?というのです。

 

 

 

確かに、疫病など流行らすのは神様が怒っているからだ。というのは、よくあるお話ですよね。だから生贄も行われてきたということです。どうなのでしょうか?

 

 

 

そういうこともあるのでしょうか?

 

 

 

・本当に祇園祭のお稚児さんは生贄にされていた?

当時は分かりませんが、現在はお稚児さんが乗る山鉾は2つしかありません。放下鉾と長刀鉾の2つです。他は全て人形のお稚児さんとなっています。人形となっても、お稚児さんが乗っていて欲しいということは、それなりの役割があるのでしょうか?やはり生贄だから?

 

 

 

では、現在も生き稚児として本物のお稚児さんを乗せている長刀鉾を見てみましょう。この長刀鉾のお稚児さんは、毎年京都市内の小学生の中から選ばれています。

 

 

 

そして、お稚児さんに選ばれると翌日以降に勢力的に動くことになります。まず稚児舞の披露のために舞の練習をしたり、しめ縄を切る稽古をしたりといろいろと忙しく立振舞います。

 

 

 

その後、八坂神社へとおもむき位を授かります。これにより、神様へとなります。そして神様の状態のまま山鉾に乗り、神様としてしめ縄を切ります。これにより神様の領域へ山鉾が入ることができるのです。

 

 

 

また、お稚児さんは以外かもしれませんが、8~10歳のお子さんにも関わらず既婚になるのです。え!!結婚??と驚くかもしれません。もちろん日本の法律では18歳以上とありますから法律的に既婚になるわけではありません。

 

 

 

しかし、祇園祭のお稚児さんは長刀鉾町、つまり町と婚約をとりかわし結納を行ったりするわけです。つ8歳~10歳にして結婚を経験するのですからスゴいですよね。

 

 

 

現在、生き稚児がいらっしゃる長刀鉾ではこのような行事や、お稚児さんがどのように扱われていらっしゃるかが分かったかと思います。

 

 

 

こう見ると、どうしても生贄って本当にあったの?と思いたくなりますよね。神様にまでしたのに殺さないといけないの?とか、結婚させてまで結びつきを強くしたいのに最後は生贄なの?なんて思うとどうも不思議に思えてしまいますよね。

 

 

 

さすがに生贄ということはなかったのではないだろうか?と思ってしまいます。飢餓など苦しい状況からの脱却を計ったお祭だからこそ、そうしたうわさ話がたったのかもしれません。少なくても現在では生贄という考えはされておらず、お稚児さんをとても大切にされていらっしゃるようです。また神様やご結婚までするのですから、昔から生贄というのは無かったのではないでしょうか。

 

 

 

・祇園祭のお稚児さんの費用とは?今年リニューアルされた費用は?

祇園祭のお稚児さんといえば、毎年長刀鉾に乗るお子さんが発表されて話題になりますね。毎年、6月頃に決まるお稚児さんは、祇園祭の山鉾巡行日に先頭の長刀鉾に乗り、しめ縄を切るという大切な役割があります。

 

 

 

この大役を担うにあたって、伝統的なお稚児さんの衣装を着ます。華やかな衣装に白塗りのお顔で凛々しく見えますよね。とても10歳前後のあどけない男の子だとは思えません。しっかりとされています。

 

 

 

このお稚児さんの頭には毎年冠を戴き、晴れの日にはキラキラと金色に輝いています。実は今回のお話はこの冠が今年、2017年新調されるということをお話したいのです。

 

 

 

この冠は昭和初期に作られており、すでに60年以上経過していました。経験劣化などで所々に痛みが出てきたので、今年新調、修復されたそうです。そんな冠くらいでなにが変わるの?別に普通じゃないなんて思ってはいけません。

 

 

 

ただキラキラ輝いているだけではありません。この冠は「花天冠(はなてんかん)」と呼ばれとても大切なものなのです。冠は主に金色が仕様され、真ん中の辺りに赤色の装飾がついています。この装飾は良い予感、吉兆を表すとされる菊の紋が描かれています。

 

 

 

さらに、上に向かって伸びるギザギザの飾りは特別な伝統的な技法である「一閑張り(いっかんばり)」という技法で修復されています。なんと和紙を丁寧に張り重ね厚みと強度を持たせ、ゆるやかに曲がっているように作られているのです。この技術を使うと一貫3.75キログラムの重さでも耐えられると言われています。和紙を重ねるだけで、そこまでの強度にできるなんて、まさに伝統技術の業によるものですね。

 

 

 

こういう細かいところに伝統技術がふんだんに使われているというのが面白いところですよね。なかなか間近で見ることができない分、ちょっとかすんでしまう部分かもしれません。しかし、そんなところにも伝統技術やとんでもない技術が使われていることがあるんですね。

 

 

 

もちろん、そのおかげで100万以上はかかっているとされています。うそっ!とんでもない値段!と思ったものです。もちろん長年使われているんですから、トータルでみたらコストパフォーマンスは良いかもしれませんね。こうやって京都の方は長いスパンで考えたいらっしゃるから、たとえ初期投資が少し高くても大丈夫なのかなと思ったりします。

 

 

 

100万以上の費用がかかった冠を頭にかぶり、普段慣れない着物を着て踊るという重責を負うことになるお稚児さんも大変ですよね。しかも小学生ですからそのプレッシャーというのは大変かと思います。お稚児さんは、この山鉾巡行以前にもとても大変な生活が待っているのです。

 

 

 

・祇園祭のお稚児さんになってからの生活とは?

お稚児さんに選ばれると早速翌日以降に稚児舞などの練習が始まります。やり慣れていない舞の練習で日々大変かと思います。しかし、それ以上に大変なのは7月13日以後の事になります。

 

 

 

なんと、八坂神社に詣で「正五位少将」の位を授かることになるのです。いやいや、どんなのよと思うかもしれません。ちょっと現代だと分かりにくいですよね。まぁ、簡単に言ってしまえば、神社から位を授かるということは、=神様になるということでもあります。

 

 

 

こうなるともうびっくり「ウソでしょ!」ってなりますよね。小学生にして神様になるのですから、もうそれはそれは大変なことです。神様ということになりますから、まず地面に足をつけてはいけません。清浄なものとして丁重におもてなしされます。地面に足をつけてはいけませんから、お父さんや保存会の方や大人の方に抱っこしてもらったりします。

 

 

 

さらに、もっと小学生の神様にとって辛いのは「女性には触れてはいけない」ということです。宗教的な事も含めて異性に触れるのは禁忌とされているそうです。なので、13日が過ぎてしまったら、祇園祭の期間中、位を八坂神社に返すまで女性に触ることはできません。

 

 

 

女性ですから、もちろんお母さんにも触れることができません。年頃で小学生の男の子にはおそらくこれが一番辛いのではないでしょうか?お母さんとお話などはできるのですが、触れられないというのは辛いのではないでしょうか。

 

 

 

それでも、舞のお稽古や神事の稽古など日々を過ごしてやっと17日の山鉾巡行でお披露目なのです。このお披露目までに神様となったお稚児さんには、苦労が耐えないのです。それを乗り越えてひのき舞台に立つのですから緊張もしますし、ドキドキが止まらないのでしょうね。

 

 

 

母とも触れず、地面にも触れず、そんな生活をしているなんてちょっとびっくりですよね。冠もスゴい技術で作られていますし、ウソでしょ!という技術とウソでしょ!と思うくらいハードな生活をしていたようです。

 

 - 京都観光